旧暦って?季節に合っている? 活用法はある?
季節が移り行くたびに、近年は時間の流れの速さに驚くようになってきました。
毎日が当たりまえに過ぎて行きますが、その時間は一度きり。
最近私は、秋の夜風にあたりながら散歩をすると
「ゆったりとした夜の時間が増えてだんだん冬に近づいてきているなぁ」
と肌で感じ、季節を思うようになってきました。
突然ですが、生活の中で季節を感じている瞬間はありますか?
私は夜の長さや気温で秋や冬だけでなく季節を感じることが多いです。
その四季折々に日本では節句がありますよね。
しかしよくその節句にこんな疑問を思ったことはありませんか?
「なんで七夕はいつも夜空が晴れないのかな?毎年雨だよね」
「桃の節句なのに花は咲いていないよ?」
じつはその現代の節句は日本の本当の日付で行われていないのです。
その秘密を握るのが今回のテーマの「旧暦」です。
旧暦とは?
旧暦は今の暦の前に使われていたもの。
つまり日本が改暦する前に生活に浸透していた暦のことです。
今の暦は何を基準にしているのかご存知ですか?
「グレゴリオ暦」または「太陽暦」という太陽の動きをもとにして作られたものである西暦が現代の一ヶ月の基準になっています。
これは長年に鎖国をしていた日本が開国し、外国から取り入れたもので、明治6年に登場しました。
もともと日本は月の満ち欠けをもとにして作られた暦の「太陰暦」と言いうのが使われていました。
古代中国から伝わってきたもので改暦まで日本では季節、一ヶ月の基準でした。
しかし、月の周期は新月から始まり29.5日。
それだと実際の季節とズレが生じるので太陽の一回帰年を24等分にした二十四節気という季節の区分と雑節というズレを修正する日を組み合わせて、実際には月と太陽の両方を基準にした「太陰太陽暦」が旧暦にあたります。
今の閏年のようなものが当時あり、閏月といった12月プラス1月の一年13月の年がありました。
現代で旧暦はどうやって考えればいいの?
現代でも旧暦で計算されたダイアリーや西暦の横に旧暦を記載しているものありますが、よく見ると一ヶ月近く違います。
西暦の方が早くなっているのです。
今でも旧暦の考え方を残した地域も残っていますよね。
仙台の七夕まつりは7月ではなく8月。
ひな祭りが3月3日ではなく4月3日で行う地域。
「今日から初夏」なんて天気予報で話を耳にしますがそれは旧暦を基準にした二十四節気なので本来は一ヶ月後が本当の「初夏」になります。
年によって違いますが約一ヶ月遅いのが旧暦と考えればいいと思います。
身近に旧暦の名残のお祭りがあるかもしれません。探してみては?
生活での旧暦の活用方法ですが、旧暦で考えていたほうが
花の盛り
食べ物の旬
衣替え
の目安になります。
桃の節句の3月3日はまだまだ寒くて梅の花の時期。
桃の花は開花が約一ヶ月先だと知っていれば前もってのお花見の予定も立てやすく、3月が春始めよりも冬の終わりという実感もあると思います。
食べ物の旬ですが、四季それぞれの食べ物の旬を知っていれば値段も安く、栄養価も高いものを食卓に登場させることができます。
秋の味覚のさんまは9月の出始めよりも9月末から10月の方が脂ものっていて美味しいし価格も安くなります。
新暦で見た初夏の夏野菜よりも旧暦でみた時期の方が色も味も格別です。
スーパーで食材を見るときには今の旬は旧暦ではどうなのか考えるとその季節で一番食べるのに適したものを選べると思います。
衣替えの時期としても上手く利用できると思います。
新暦の3月は旧暦では2月頃。
雪がふる年もありますし、気温も安定しません。
3月を春として考えるには少々気が早いと考えていいでしょう。
4月1日を「わたぬき」とも読みます。
冬に着ていた綿の入った袢纏(はんてん)から「綿抜き」をして、衣替えの時期としていました。
新暦では5月頃が「四月一日・綿抜き」ですので本格的な衣替えはその頃を目安に行ってみてはいかがでしょうか?
いかがでしたか?今回は、現代の日本と昔の日本のことを垣間見る内容だったと思います。
今の生活では旧暦で生活はできませんが、月を見るたびに日本は月の満ち欠けで生きてきたと思い出していただけたら季節の移り変わりにも敏感になっていくかもしれません。
せっかくの四季。しっかりと感じてみてください。
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