トランジションタウン藤野の持続可能な社会づくり
トランジション・タウンって言葉を初めて知ったのは3.11震災後、新たな生き方、ライフスタイルを模索している時でした。
トランジション・タウンとは「石油などの大量消費に依存する不安定な脆弱な社会」から、「適正量のエネルギーを使用し、地域の人々が協力し合ってつくる柔軟かつ持続可能な社会」への移行を意味するものです。
2006年イギリスのトットネスでパーマカルチャー・デザイナーのロブ・ホプキンスによって活動が始まり、学生であったルィーズ・ルーニーとキャサリン・デュンによってトランジション・タウンという概念に発展し、まちがつくられていったようです。
日本では榎本英剛氏が神奈川県の藤野、葉山、東京の小金井の三か所で、始めたようです。
トランジション・タウンに興味がありましたのでトランジション藤野のワークショップに参加してきました。藤野は相模原市緑区にあり新宿からJR中央線で約1時間のところにある人口1万人ほどの森と湖の町です。
戦時中に画家が移り住み、アートのまちとして、シュタイナー学園などもでき、いろいろとユニークな取り組みが行われています。
主な取り組みとして
地域通貨、藤野電力、お百姓クラブ、森部、健康、医療などのワーキンググループなど行ってます。
■地域通貨
お金の流通でなく、人と人とがつながってお互い助け合うしくみとして機能しています。
参加している各自が通帳のような手帳を持ち、そこにできるもの、贈れるものなど取引したものを記帳していきます。
何か与えた場合はプラスの数字を、何かをしてもらった場合はマイナスの数字を記帳していきます。
マイナスの額が増えれば、”現在のお金の世界”だと借金が増えて、苦しむことにつながっていきますが、この地域通貨のシステムでは気にしなくていいようになってます。
”人の思いやり”を「見える化」した形になっているんですね。
人と人とが「足るを知って、思いやりで助け合う社会」ができれば、お金にあまり頼らなくても済みそうです。
■藤野電力
100%自家発電を目指して、太陽光など自然エネルギーを地域で取り組む活動です。
■お百姓クラブ
食の自給自足を目指して、自然の循環を活かした農法、安全で豊かな食を提供するための食品加工、保存、マーケット、レストランの創出などをテーマに活動しているそうです。
■森部
豊かな自然、豊かな暮らしに欠かせない森を守るために、人工林の手入れや、間伐材の地域内での利用などの活動をされてます。
ふじのアートヴィレッジの画像です。
新しい社会づくりに向かって、活動の輪が広がっていっているトランジション藤野ですが、話を聞いてみると、一番の課題は経済力をどうつけていくかのようです。
現代社会のしくみと並存しながら動いている新たなしくみですから豊かなライフスタイルを享受するには、どうしても仕事、お金が必要ですので、移住する方も増えている一方、都心で働いて、週末を藤野で過ごすという方も多いように感じました。
新たな持続可能な社会づくりとして今後の発展に期待したいです。
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