有機肥料の種類,窒素,リン,カリウム3つの成分がポイント!
欧米に行くと、オーガニック野菜が非常に目立ちます。
アメリカの「Whole Foods」とか最近、麻布十番にも上陸したヨーロッパの「Bio c’ Bon」などオーガニック専門スーパーなど身近にオーガニック食品があるので、利用しやすいです。
一方、日本だとなかなか身近にオーガニック野菜を扱っている店舗が少なく、手に入りづらい状況にあります。
農業が盛んな田舎に行けば、簡単にオーガニック野菜が手に入るかと思いきや、有機栽培は大変手間がかかり難しいらしく、有機栽培をしている農家はあまりないのが実情です。
日本では身近に有機野菜が手に入りづらい、入ったとしても価格がいいお値段だったりと・・・・
だったら、せめて家庭菜園で有機栽培を!って考える方も多いのではないかと思います。
有機栽培
有機栽培とは、そもそも何か?というと・・・
簡単に荒っぽく言ってしまえば、化学肥料、農薬を使わない栽培ですが、有機JASでは次のように定義しています。
「生産から消費までの過程を通じて化学肥料・農薬等の合成化学物質や生物薬剤、放射性物質、遺伝子組換え種子及び生産物等をまったく使用せず、その地域の資源をできるだけ活用し、自然が本来有する生産力を尊重した方法で生産されたもの」
有機栽培は「化学肥料」は使わないけれど、「有機肥料」は使用するんですね。
有機肥料
植物は土の中にある栄養分を吸収して成長していきますが、土の中の栄養分が生育していく上で、不足の場合、肥料を補ってやる必要があるわけです。
肥料には、「有機肥料」と「無機肥料(化学肥料)」があります。
有機肥料には、動物の排泄物などから作られる「動物的肥料」と植物から作られる「植物的肥料」があります。
有機肥料の種類
有機肥料の3つの栄養成分
野菜作りに必要とされる有機肥料の成分には次の3つがあります。
窒素、リン酸、カリウムの3つです。
それぞれの特徴を簡単に言いますと
窒素(N)は葉や茎を強くする成分です。
リン酸(P)は花や実を強くする成分です。
カリウム(L)は根を強くする成分です。
ですので、
葉や茎を強くしたい時には窒素を多く含む肥料を使ったり、花や実を強くしたい時はリン酸を多く含む肥料を使ったりと目的に応じて肥料を使い分けするのですね。
肥料と言ったら漠然と作物全体を成長させるために使うものとばかり思ってましたが、なるほど〜です。
有機肥料の種類
肥料には元肥と追肥があります。
元肥(原肥、基肥)とは、苗を植え付けする前に、土へ施す肥料のことで、効果がすぐに出ない発育を止めないために施します。
過剰な肥料はかえって、根を枯れさせたりしますから適量を施すことが大切です。
元肥に使われる有機肥料としては、堆肥、米ぬか、油かす、魚粉、骨粉、草木灰、腐葉土などがあります。
追肥とは生育状況に合わせて必要な栄養分を補うために施す肥料のことで、即効性のある肥料を一般的に使用します。
植物油かす
菜種、大豆、とうもろこし、落花生、綿実などの種子や米ぬかなどから油を搾ったかすを「植物油かす」といい、肥料になります。
草木灰(そうもくばい)
草木を燃焼させた後の灰で、カリウムと石灰分を含む肥料になります。
水溶性のカリウムが多く即効性があります。
鶏糞
鶏の糞を乾燥させて作った肥料で、植物の生育に必要な窒素、リン酸、カリウムをバランスよく含んでいます。
鶏糞堆肥
鶏の糞を発酵させて作ります。
牛糞堆肥
牛の糞や尿に、麦わら、オガクズ、ウッドチップなどを混ぜ、発酵させて作ります。
堆肥が鳥糞、豚糞に比べ、窒素分が低めです。
豚糞堆肥
豚の糞などを発酵させて作ります。
緑肥
マメ科、イネ科などの栽培している植物をそのまま畑にすきこんで肥料とするものです。
ボカシ肥
油かすや米ぬかなどの有機肥料に、土やもみがらを混ぜて発酵させて作る肥料のことです。
有機肥料は、効き目が出るまでに時間がかかますが、ボカシ肥なら、発酵しているので土の中の微生物が多く、すぐに効き目が出てきます。
骨粉
動物の骨を砕いて加熱処理したもので、骨だけのものと肉がついたまま砕いたものとがあります。
土は植物やいろんな生物、それと岩石の風化したものが一緒になって、長い時間をかけて作り出したものです。
こうしてできた土から植物は根から栄養分を吸収して、葉を出して太陽の光で光合成を行い、育っていきます。
やがて、葉が落ちると、それをいろんな生物が分解し、養分を放出して肥沃な土になっていきます。
そこに人間が人為的に植物を植えていくと、植物によって必要とする栄養も変わってくるので、土の中の栄養分も偏って、土が痩せたりするわけですね。
その痩せた土を復活させるために肥料が必要となって、有機肥料は時間がかかるのに対し、化学肥料は即効性があるので、現代農業によく使われるわけですが、できれば有機肥料で補っていきたいです。
そのためには有機肥料や土のことをよく理解する必要がありますから、なかなか奥の深いものですね。
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